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脂質異常症とは?原因や改善方法|女性の更年期に急増する理由【医師監修】

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脂質異常症とは?原因や改善方法・|女性の更年期に急増する理由【医師監修】

人間ドックや健康診断の検査で「LDLコレステロール値や中性脂肪が高い」と指摘されたことはありませんか?
40代以降の女性は脂質異常症のリスクが急激に高まる時期です。脂質異常症の主な原因、症状の有無、脂質異常が引き起こす病気、血液検査の診断基準や治療・生活習慣の改善方法など、脂質異常症について解説します。

脂質異常症とは?
脂質異常症は自覚症状がない
脂質異常からの「動脈硬化」とその病気
脂質異常症の主な原因
脂質異常の診断基準とL/H比
女性の脂質異常が更年期に急増する理由
脂質異常症の治療は何科?/改善方法
脂質異常症は定期的な検査が重要!

脂質異常症とは?

脂質異常症とは、血液中のLDLコレステロール(悪玉)や中性脂肪が高い、またはHDLコレステロール(善玉)が低い体の状態を指します。
2007年より「高脂血症」から「脂質異常症」に病名が変更されました。これは、コレステロール値が高いだけでなく、善玉コレステロールが低い場合も問題であることを明確にするためです。

コレステロールは必須栄養素

「悪玉」という名前から、LDLコレステロールは体に不要なものと思われがちですが、実はコレステロールは細胞膜の構成成分であり、ホルモンや胆汁の材料として欠かせない栄養素です。しかし、過剰に存在することで、やがて「動脈硬化」を引き起こします。 

  • LDLコレステロール(悪玉)の役割
    ・肝臓で作られたコレステロールを全身の細胞に運ぶ
    ・細胞膜、ホルモン、胆汁の材料となる
    ・増えすぎると血管壁に蓄積し、動脈硬化の原因に
  • HDLコレステロール(善玉)の役割
    ・血管壁や全身から余分なコレステロールを回収
    ・肝臓に戻して処理する「お掃除屋さん」
    ・動脈硬化を予防する働き
脂質異常症とは?原因や改善方法・|女性の更年期に急増する理由【医師監修】

脂質異常症は自覚症状がない「サイレントキラー」

脂質異常症の最大の特徴は、ほとんど自覚症状がないことです。
痛みや不快感がないため、健康診断で指摘されても「体調は悪くないから大丈夫」と考えてしまいがち。しかし、自覚症状がないまま血管の中では着実に「動脈硬化」が進行し、ある日突然、心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる病気として現れます。

動脈硬化のメカニズム

脂質異常症を放置すると、動脈硬化が進行します。余分なLDLコレステロールが血管壁に侵入し、酸化されて「酸化LDL」に変化。免疫細胞がこれを取り込むことでプラーク(塊)が形成され、血管が狭く硬くなっていきます。プラークが破れると血栓ができ、血管を完全に塞いでしまうことがあります。

脂質異常からの「動脈硬化」が原因で起こりうる病気

上記で記載したように、脂質異常症はやがて動脈硬化に発展し、下記のような病気に繋がってしまいます。

心臓の病気

  • 狭心症:心臓の血管が狭くなり、胸の痛みや圧迫感が起こる
  • 心筋梗塞:心臓の血管が完全に詰まり、心筋が壊死。激しい胸痛、冷や汗、呼吸困難などの症状

脳の病気

  • 脳梗塞:脳の血管が詰まり、脳細胞が壊死。突然の手足のしびれ、麻痺、言葉が出ない、視野障害
  • 脳出血:脳の血管が破れて出血。激しい頭痛、吐き気、意識障害

これらの病気は突然発症することが多く、後遺症が残ったり命を落としたりする可能性があります。特に糖尿病、高血圧、慢性腎臓病などの基礎疾患がある方、喫煙習慣がある方、肥満傾向の方は注意が必要です。

脂質異常症の主な原因

そんな脂質異常症の主な原因は下記になります。

  • 食生活の乱れ
    ・食事内容の偏り(脂っこいものが多い、野菜不足)
    ・食べ過ぎによるカロリーオーバー
    ・過度の飲酒
    ・不規則な食事時間、早食い
  • 運動不足
    ・デスクワーク中心の生活や日常的な身体活動の減少
    ・肥満(特に内臓脂肪型)
  • 女性ホルモンの減少(更年期)
    女性特有の原因として、女性ホルモン(エストロゲン)の減少があります。エストロゲンにはLDLコレステロールを下げ、HDLコレステロールを上げる働きがあるため、更年期を迎えるとこの保護効果が失われ、脂質のバランスが崩れやすくなります。
  • 遺伝性(体質)
    家族性高コレステロール血症や、親・兄弟姉妹に脂質異常症の人がいる場合
  • 基礎疾患の有無
    糖尿病、甲状腺機能低下症、慢性腎臓病などの病気が脂質異常症の原因となることもあります。
  • その他
    ・一部の薬剤(ステロイド薬など)の副作用
    ・妊娠など

脂質異常の診断基準とL/H比

脂質異常症は血液検査によって以下の基準で診断されます。

【脂質異常症の診断基準】

● LDL(悪玉)コレステロール

測定値診断名
≧ 140mg/dL高LDLコレステロール血症
120〜139mg/dL境界域高LDLコレステロール血症

● HDL(善玉)コレステロール

測定値診断名
< 40mg/dL低HDLコレステロール血症

● 中性脂肪(トリグリセライド)

測定値診断名
≧ 150mg/dL(空腹時 ※1)高トリグリセライド血症
≧ 175mg/dL以上(随時 ※1)高トリグリセライド血症
※1: 10時間以上の絶食(カロリーのないものは可)を空腹時とする。それ以外は随時。

● Non-HDLコレステロール ※2

測定値診断名
≧ 170mg/dL高non-HDLコレステロール
150〜169mg/dL境界域高non-HDLコレステロール血症
※2: 総コレステロールから善玉コレステロールを引いたもの。動脈硬化の原因となるコレステロール全部

出典: 日本動脈硬化学会編:動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版, 日本動脈硬化学会, 2022を一部改変

LDL/HDLコレステロール比(L/H比)

近年では、LDL/HDLコレステロール比(L/H比)という指標も重視されています。悪玉と善玉のコレステロールの比率をみたものです。比率を1.5以下にキープすることで、プラーク(動脈硬化の原因)が蓄積されにくくなり、動脈硬化を予防することができます。

  • 計算方法:LDLコレステロール値 ÷ HDLコレステロール値
  • 目標値:1.5以下

【計算例】
・LDL 120mg/dL、HDL 80mg/dL → L/H比 1.5(理想的)
・LDL 140mg/dL、HDL 40mg/dL → L/H比 3.5(要注意)
※LDLが基準値内でも、HDLが低ければL/H比は高くなるため、両方のバランスを見ることが重要

LDLコレステロールが120〜139mg/dLの「境界域」は、まだ脂質異常症ではありませんが油断は禁物。この段階で生活習慣を見直すことで、将来的な脂質異常症や動脈硬化を予防できます。

女性の脂質異常症が更年期に急増する理由

女性ホルモン(エストロゲン)の保護効果

女性の脂質異常症を理解する上で欠かせないのが、女性ホルモン(エストロゲン)です。エストロゲンには以下の働きがあります。

  • LDLコレステロールを低下させる
  • HDLコレステロールを増加させる
  • 血管を柔軟に保ち、動脈硬化を防ぐ
  • 内臓脂肪の蓄積を抑える

エストロゲンは女性の血管を守る「天然のバリア」。そのため、閉経前の女性は男性に比べて脂質異常症や心疾患のリスクが低いのです。

更年期でエストロゲンが激減

更年期(一般的に45〜55歳頃)を迎えると、エストロゲンの分泌が急激に減少します。その結果、それまで保たれていた脂質のバランスが一気に崩れ、LDLコレステロールが上昇しやすくなります。「去年までは正常値だったのに、今年は急に高くなった」というケースは、まさにこの現象です。実際、閉経後の女性は男性よりも脂質異常症のリスクが高くなるというデータもあります。

年代別の傾向

  • 30代:生活習慣(食事の乱れ、運動不足、ストレス)の影響が大きい。この時期からの予防が将来を左右する
  • 40代後半〜50代:ホルモンバランスの変化で数値が急上昇しやすい最も注意が必要な年代。更年期症状と同時期に起こることが多く、「今までは大丈夫だった」という油断が危険
  • 60代以降:すでに動脈硬化が進行している可能性も、継続的な管理と治療が必要。他の生活習慣病との合併にも注意

脂質異常症の治療は何科?/改善方法について

まずは内科へ|基礎疾患や既往歴の確認

目標となる管理値は、ご年齢、閉経の有無、基礎疾患の有無などにより個々で異なります。そのため、健康診断や人間ドックの数値が悪かった方は一度内科を受診することをおすすめします。また、判定が経過観察でも、基礎疾患や既往歴に該当する場合は治療が必要になります。

脂質異常症とは?原因や改善方法|女性の更年期に急増する理由【医師監修】

今日からできる脂質異常症の改善方法!

脂質異常症の改善には、生活習慣の見直しが最も重要です。

  • 体重をコントロール
    目標体重=身長×身長×(18.5〜24.9)
    適正体重を維持することで、脂質値の改善が期待できます。
  • 食生活の見直し ※1
    ① 1日3食で早めの夕食
    ② 寝る前2時間はカロリーを摂取しない
    ③ 動物性脂肪をひかえ、魚や大豆食品を取り入れる
    ④ 食物繊維である野菜、きのこや海藻を取りいれる
    ⑤ 適切なエネルギー量は以下を参照ください
  • 有酸素運動を取りいれる
    HDLコレステロールの改善方法はほぼ運動のみとされております。
  • 禁煙
  • 規則正しい生活リズム
    ストレス・睡眠不足を避ける

女性ホルモンの影響や体質が原因の場合、食事・運動療法を行っても改善しない場合があるので、心配な方は一度お近くの内科で相談してください。

※1 日本医師会サイトより引用

脂質異常症は定期的な検査が重要!

脂質異常症は自覚症状がないため、定期的な血液検査が唯一の早期発見方法です。
脂質異常症は、更年期を迎える40代以降の女性に急増する健康問題です。女性ホルモン(エストロゲン)の減少が主な原因で、自覚症状がないまま動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めます。
定期的な健康診断で早期発見し、LDL/HDLコレステロール比を1.5以下にキープすることを目標に、食事では食物繊維や青魚、大豆製品を積極的に摂り、週3〜5回の有酸素運動を習慣化することが大切です。

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