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月経(生理)の異常・月経困難症|原因となる女性疾患について【医師監修】

  • 女性特有の病気、症状
  • 子宮・卵巣
  • 疾患や検査について
月経にまつわるトラブルと病気の可能性を解説します。

「生理痛がつらい」「血の量が多い」「生理不順が続く」……月経(生理)にまつわる異常で悩む女性は非常に多く、にもかかわらず婦人科を受診しないまま放置する女性が多いのもまた事実です。
月経期間中に起こる病的な症状 「月経困難症」や、月経にまつわる様々な異常と、その裏に潜んでいるかもしれない病気・疾患について、月経の正しい知識を知って婦人科受診のサインを見逃さないようにしましょう。

【目次】
正常な月経とは?
月経回数が多いとリスクが高まる
月経中の異常「月経困難症」
月経(生理)の様々な異常を見過ごさない
月経異常の原因になる疾患
こんな症状があればすぐに婦人科へ!
クレアージュ東京の健診プラン

監修 婦人科医師 大島乃里子先生

正常な月経(生理)とは?

生理の事を医学用語では「月経」といいます。月経は卵巣から分泌される女性ホルモンに子宮内膜が反応して起こる現象です。まずは「正常な月経」の範囲を知っておくことが、自分の状態を把握する第一歩です。

【正常な月経の目安】

  • 月経周期:25日〜38日
  • 月経持続日数:3〜7日
  • 経血量(1回の月経):約100ml程度
月経(生理)の異常・月経困難症|原因となる女性疾患について【医師監修】

月経は4つのフェーズで成り立っており、それぞれの周期で体や気分に異なる変化が起きます。

  • 月経期(3〜7日): 下腹部痛・腰痛・貧血・立ちくらみ・吐き気など
  • 卵胞期(月経開始〜排卵まで): 体調が安定。気分・肌状態が良くなる時期
  • 排卵期(排卵前後の数日): 排卵痛・軽い胸の張り・透明なおりものが増加など
  • 黄体期(排卵後〜月経前まで・約12〜14日): むくみ・体重増加・胸の張りや痛み・頭痛など

月経(生理)の回数が多いとリスクが高まる

現代女性に月経関連の疾患が増えているのは、その月経回数によるものとも言われています。

現代女性の月経回数は昔の約10倍!

現代の女性が一生涯に経験する月経回数は約400〜500回。出産回数が多く長い授乳期間が続いた昔の女性の約50回と比べると、約10倍にのぼります。
妊娠・授乳中は月経が止まるため、出産回数が多かった昔の女性は月経回数が少なくて済んでいました。

※授乳中に月経が再開する人もいます。

昔の女性現代の女性
初潮:16歳頃初潮:12歳ごろ
出産:平均6回出産:1~2回
授乳期間:長い授乳期間:短い
生涯の月経回数:約50回生涯の月経回数:約400~500回
※厚生労働省 合計特殊出生率(2024)より引用

月経回数が多いことで高まる3つのリスク

月経回数が多くなると、女性の体においては下記のようなリスクが高まります。

疾患・症状なぜ増えるのか?
子宮内膜症月経のたびに炎症が繰り返され発症・進行リスクが上昇。10〜20代での発症も増加中。
子宮筋腫エストロゲンへの暴露期間が長くなり発症しやすくなる。月経過多・貧血の原因にも。
月経困難症・PMS月経回数=ホルモン変動の回数。生理痛やPMSに悩む期間が長くなる。

月経中の異常「月経困難症」 とは?生理痛は普通のこと?

月経期間中に起こる病的な症状が、日常生活に影響するほど強い場合を「月経困難症」といいます。
とくに、その代表が月経痛(生理痛)で、下腹部痛や腰痛、頭痛など様々な部位に痛みが見られます。 鎮痛薬を使っても寝込んでしまう人が居るなど、痛みの程度は様々ですが日常生活がままならない場合は月経困難症と言えます。

そのほかの月経困難症の症状は下記になります。

月経困難症の症状チェック
以下の症状に心当たりはありますか?
□ 下腹部痛
□ 腰痛
□ お腹が張る
□ 吐き気
□ 頭痛
□ 疲労・脱力感
□ 食欲不振
□ イライラ
□ 下痢
□ 憂鬱な気分
□ 排便時の痛み
□ 性交時の痛み

月経困難症の2つの分類( 機能性月経困難症/器質性月経困難症 )

月経困難症は「機能性月経困難症」と「器質性月経困難症」の二つに分けられます。
どの要因で起こっているのか、一度検査をしてみることで、その後の治療法などの対応が変わってきます。

機能性月経困難症

診察や検査をしても、月経痛の原因になる病気が見当たらない場合をいいます。子宮内膜で作られるプロスタグランジンによる子宮筋の過剰な収縮が原因で起こる痛みが、ストレスや不安感などで悪化することもあります。鎮痛薬の早めの内服や漢方薬、ホルモン剤などで解消することができます。

【 機能性月経困難症 特徴 】

  • 発症時期:初経から3年以内
  • なりやすい年齢:15~25歳
  • 加齢に伴う変化:加齢と共に改善
  • 分娩後:改善
  • 原因:原因となる明らかな病気はない(子宮の出口が狭い、プロスタグランジン等による子宮の過収縮)
  • 症状の起こる時期:月経中
  • 症状の持続:4~48時間
  • 治療:内服薬など

器質性月経困難症

何らかの病気が原因となって引き起こされる痛みや症状で、子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫、子宮の形態異常(奇形など)などが原因となります。これらの病気を治療することで、症状が解消されます。

【 器質性月経困難症 特徴 】

  • 発症時期:初経から5年以上後
  • なりやすい年齢:30歳以上
  • 加齢に伴う変化:徐々に悪化
  • 分娩後:不変
  • 原因:原因となる病気がある(子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫など)
  • 症状の起こる時期:月経中(症状が悪化すると月経時以外も)
  • 症状の持続:1~5日
  • 治療:原因疾患の治療(手術、薬など)

月経(生理)の様々な異常を見過ごさない

月経に下記のような異常がある場合は、月経困難症の原因となる病気や体に異変があることを疑い必ず婦人科を受診しましょう。

血の量が多い・生理が長い(過多月経・過長月経)

通常より出血量が多い月経を「過多月経」、8日以上続く月経を「過長月経」といいます。出血が多いと貧血になり、めまい・立ちくらみなど全身に影響が出ることもあります。
過多月経を判断する場合は、以下のチェックリストを使用しましょう。1つでも当てはまれば受診を検討してください。子宮筋腫・子宮腺筋症などの病気が原因の場合があるため、定期的な婦人科検査が重要です。

過多月経チェックリスト
□ 昼でも夜用ナプキンを使わないと不安
□ 普通のナプキン1枚では1時間ももたない
□ タンポンとナプキンを併用しないと不安
□ 夜間シーツを汚してしまうことがある
□ 経血にレバーのような血の塊が混じる

生理不順(頻発月経・稀発月経)

周期が25日未満の場合を「頻発月経」といい、頻繁な出血のために貧血が心配です。また逆に月経周期が39日以上の場合を「稀発月経」といいます。

初経から間もない時期や閉経が近い時期には、ある程度の不順は見られることがあります。
しかし、多嚢嚢胞性卵巣が原因の場合や、急激なダイエットによる体重減少やストレスによるホルモンバランスの崩れが原因になっていることもあります。また、甲状腺の機能異常が原因の場合もあります。

3か月以上月経がないときは、婦人科を受診してください。長期間無月経の状態が続くと治療が難しくなりますし、妊娠している可能性もあります。基礎体温表をつけるなど、自分の周期パターンを把握しておくことがおすすめです。

不正出血(器質性出血・ 機能性出血)

月経期間以外の出血を不正出血といいます。出血は鮮血の場合もありますし、褐色やピンクの場合もあります。出血の原因は診察しなければ判りません。自己判断はせずに、異常な出血があったら、出血が止まってからではなくすぐに婦人科を受診することを強くおすすめします。

不正出血は様々な原因で起こります。

■ 器質性出血

腟、子宮、卵巣などに異常があり、病気が原因で出血する場合です。子宮筋腫、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣腫瘍、子宮頸管ポリープ、腟炎、流産、外傷など多くの病気が不正出血の原因になります。

■ 機能性出血

病的な原因ではなく、ホルモンバランスが乱れた時に起こる出血です。
環境の変化などのストレスが、思春期・更年期など卵巣からのホルモン分泌が不安定な時期に起こりやすくなります。排卵時に見られる中間出血(排卵出血)も機能性出血の一種です。生理的な出血で病的なものではありません。機能性出血の診断にも、基礎体温表は大変役立ちます。

月経前の異常| 月経前症候群(PMS)

月経開始の3〜10日前から始まり、月経開始とともに治まる精神的・身体的な症状を「月経前症候群(PMS)」といいます。排卵後のプロゲステロン分泌などが誘因と考えられています。

以下のような症状がみられたときは月経前症候群(PMS)の可能性が高いです。

精神的症状身体的症状
イライラ・怒りっぽくなる乳房のはり・痛み
情緒不安定肌荒れ・ニキビ
落ち着かない手足のむくみ・お腹の張り
憂鬱な気分・不安感が強くなる下腹痛・腰痛・頭痛
疲れ・だるさ

PMSの症状が強い場合、低用量ピルや漢方薬・黄体ホルモン剤などが有効です。我慢せず婦人科に相談しましょう。

※「低用量ピル」について詳しくはこちら

月経異常の原因になる疾患

月経に異常を引き起こす、原因となる主な疾患をご紹介します。

子宮筋腫

月経(生理)の異常・月経困難症|原因となる女性疾患について【医師監修】

子宮筋腫は、子宮の筋肉にできる良性の腫瘍です。女性の3人に1人にできるありふれた病気で、がん化することはありません。エストロゲンという女性ホルモンの影響で大きくなり、閉経すれば小さくなります。以下のような症状が良く見られますが、無症状の人も少なくありません。

  • 月経の出血量が多い(過多月経)
  • 不正出血
  • 月経痛
  • 不妊や習慣流産
  • 腹部の硬いしこり

※子宮筋腫について詳しくはこちら

子宮内膜症

月経(生理)の異常・月経困難症|原因となる女性疾患について【医師監修】

子宮内膜またはそれに似た組織が子宮内膜以外の場所(卵巣、子宮周囲の腹膜、など)で発生し増殖する病気で、10%~20%の女性に見られます。病巣にできた組織は月経周期に合わせて増殖と出血を繰り返し、周囲の組織との間に癒着を引きおこし、さまざまな症状をもたらします。代表的な症状は痛みと不妊で、内膜症患者の30%~50%が不妊だという報告もあります。

卵巣に発生する子宮内膜症を「卵巣チョコレート嚢胞」といいますが、がんに発展する可能性があるため、注意が必要です。子宮内膜症によくみられる症状をチェックしてみましょう。

  • 少しずつ悪化する月経痛
  • 月経以外の腹痛や腰痛(慢性骨盤痛)
  • 性交時の痛み
  • 排便時の痛み
  • 不妊

※子宮内膜症について詳しくはこちら

月経(生理)でこんな症状があればすぐに婦人科へ!

以下に1つでも当てはまる場合は、早めに婦人科を受診してください。
月経は女性のからだのバロメーターです。普段と違うと感じたら、早めに婦人科へ相談しましょう。「みんな我慢しているから」と、月経の異常を放置しないことが大切です。

婦人科受診のサイン
□ 3か月以上月経がこない
□ 3週間以内に次の月経が始まることが多い
□ 市販の鎮痛剤を飲んでも月経痛がおさまらない
□ 月経時に決められた服用量より多く鎮痛剤を飲んでいる
□ 月経開始から3日目まで毎日最大量の鎮痛剤が必要
□ 夜用ナプキンが3時間もたない
□ 健康診断で「貧血」と診断された

婦人科の検査は、子宮がん検査(頸部細胞診)や経腟超音波検査などの種類があり、それぞれ役割が異なります。
全ての検査を定期的に行うことで、普段の生活に影響を及ぼす月経困難症の原因がわかり、女性特有のがんの早期発見につながります。

▷ 婦人科検査(内診・子宮頸部細胞診・経腟超音波)について詳しくみる

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