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プレコンセプションケア(プレコン)とは? ライフプランを考えるために女性が知っておきたい検査とケア
- 女性特有の病気、症状
- 子宮・卵巣
- 疾患や検査について
プレコンセプションケア(Preconception care)の定義
プレ(Pre)は「~の前の」、コンセプション(Conception)は「妊娠・受胎」という意味で「妊娠前のケア」という概念です。
将来の妊娠を考えながら、自身の健康状態や生活習慣を見直し、改善していくことで妊娠・出産を健康に迎え、さらに出産後も健やかに過ごせるようにすることを目的とします。
2012年にはWHO(世界保健機関)が「妊娠前の女性とカップルに医学的・行動学的・社会的な保健介入を行うこと」と定義し、さまざまな健康支援の場で取り上げられるようになりました。
なぜプレコンセプションケアが必要なの?
日本では、医療の発展によって妊婦死亡率や周産期死亡率(妊娠満22週以後の死産と生後1週間以内の死亡を合わせた死亡率)は低い水準にあります。しかし、女性の社会進出による晩婚化によって妊娠を考える年齢が上がっているため、不妊治療を受ける方や母児にとってリスクの高い高齢での出産が増える、といった状況になっています。
安全な妊娠・出産を妨げるリスク因子としては、年齢、子宮卵巣の疾患、感染症、やせや肥満、喫煙、持病などがあり、これらによって不妊症だけでなく流産や早産、低出生体重児の出産などの発生頻度が通常よりも高くなります。
自覚症状がないリスク因子もあり、一般的な健康診断やがん検診には含まれていない検査項目も多いため、将来の妊娠や出産を意識した検査として十分とは言えません。
既婚・未婚やパートナーの有無にかかわらず、妊活を始める前の早いうちから自身の健康状態や妊娠・出産に関わるリスク因子を把握して、早めにケアを始めることが大切です。
どんなひとにおすすめ?
結婚やパートナーの有無にかかわらず、将来子供を持つ選択肢を考えている年代の女性におすすめです。将来のためだけでなく、今の自分の不調のケアにもつながるので、「将来子供を持ちたいか」を迷っている方でも、プレコンセプションケアを始める価値はあります。
ただし、既にパートナーがいて、不妊の傾向がある(1年以上避妊せず性交を行っているにもかかわらず、妊娠の成立を見ない)方については、婦人科外来の受診や不妊クリニックへの相談をおすすめします。
プレコンセプションケアとして妊娠前からできる3つのこと
1.検査を受ける
一般的な健康診断でわかる血糖値・血圧も、妊娠・出産時の疾患リスクにつながるため、きちんと確認しておくことが必要です。また、経腟超音波(エコー)検査や子宮頸がん検診などの子宮・卵巣の検査や、感染症の検査で、不妊や不育のリスクがないかを調べておくことはとても重要です。また歯周病も切迫早産のリスクにつながるため、歯科検診を受けておくとよいでしょう。
2.生活と心身を整える
バランスの良い食事、運動、体重をコントロールすることも大切です。やせすぎも太りすぎも妊娠・出産に影響を与えます。また、栄養の中でも重要な「葉酸」は不足しがちなので、サプリメントなどで補充することもおすすめです。また、煙草を吸わない、過度な飲酒を控える、ストレスを減らすことも大切です。
3.ライフプランを考える
妊孕性(=妊娠する力)は年齢とともに、どうしても下がっていきます。こういった知識を得て、自身のキャリアやこれからのライフプランを一度考えてみておくことも大切です。
将来の妊娠・出産に備えて受けておきたい検査
将来の妊娠・出産に関わる検査の中でも、特に通常の健康診断や企業・自治体でのがん検診に含まれていない代表的な5つの検査について紹介します。
経腟超音波(エコー)検査
腟内にプローブと呼ばれる細い棒を挿入して、超音波をあてることで、子宮や卵巣の状態をモニタにうつしだし、様子を観察できる検査です。毎月の排卵状況や婦人科的疾患の有無、疾患があればその状態が把握できます。
特に、20~40代女性の3人に1人にある子宮筋腫や、10人に1人にある子宮内膜症などは、不妊につながる場合もあるため、早めに疾患の有無を知り、必要であれば治療を開始しておくことが大切です。
参考記事:経腟超音波検査について
AMH/抗ミュラー管ホルモン検査
卵巣予備能(発育中の卵胞の数)の直接的な指標とされており、加齢に伴い徐々に減少し、閉経を迎える頃には検出されなくなります。
ただし、妊娠には「卵子の質」も重要になります。「卵子の質」はAMH値に関係なく年齢とともに低下するため、AMHの値=妊娠のしやすさではありません。
また、疾患との関連では、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)で高値となります。AMH値は減少するペースにも個人差があるため、いつ閉経するかを予測したり、「数値が低いから閉経が早い」と断定することはできません。あくまで一つの指標として使用されています。
AMH検査についてのご注意
・ピルを服用中の方は測定は可能ですが、実際より少し低めの値が出ます。正確な値を知りたい場合は、約3カ月休薬していただくことでピルの影響はなくなります。
・AMH値は25歳頃がピークとなるため、25歳以下の方はこれから上昇する可能性があります。結果値については参考程度にお考え下さい。
クラミジア検査
クラミジアは、性病の中でも一番感染している人の数が多い病気です。主に性交により感染しますが、無症状のことも多く、知らないうちに感染していることもあります。合併症を起こすと、子宮頸管炎や卵管炎を引き起こして、不妊症や異所性妊娠のリスクになることもあるので注意が必要です。
風疹抗体検査
風疹(ふうしん)とはウイルスによる感染症の一種で、妊娠初期の女性が風疹にかかると、胎児にも感染し、耳が聞こえにくい、目が見えにくい、生まれつき心臓に病気がある、発達がゆっくりしているなど「先天性風疹症候群」という病気を発症する場合があります。妊活中・妊娠中は予防のためのワクチン接種は受けられないため、妊活を始める前に検査し、必要であればワクチンの接種をすることをおすすめします。
甲状腺ホルモン検査
甲状腺ホルモンは、妊娠の成立・維持にも大切な働きをしており、甲状腺機能低下症があると流産、早産のリスクが高まります。さらに胎児や乳児の脳の発達にも関係します。バセドウ病や橋本病などの甲状腺疾患の治療が必要な場合は、症状に合わせた治療を行ったり、妊娠・出産のためにホルモンのコントロールを行うことができます。
自分のカラダを知ることからはじめてみませんか?
プレコンセプションケアのためには、生活習慣の改善だけでなく、今のご自分のカラダを知った上で、妊娠・出産のために必要な知識、ライフプランを考えることが必要です。
当院では、プレコンセプションケアをサポートする健診プラン「プレコンドック」を提供しております。
プレコンドックは、ライフプランの選択肢として妊娠・出産を考える方向けに、
妊娠の仕組みの妨げになるような疾患や子供への影響が懸念される抗体検査を含んでいます。
パートナーの有無に関わらず、ご自分の身体を調べることでキャリアプランやライフプランを
考えるきっかけとしてご受診していただきたい健診です。
コースの内容についてはコチラからご覧ください▼
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